極上パイロットが愛妻にご所望です
「さ、桜宮さんっ!」

「せっかくの約束だけど、またの機会にして。彼女の手は医者に診せたほうがいい」

 桜宮さんは涼しげな眼差しを友莉子に向ける。

「も、もちろんです。砂羽、病院へ行ったほうがいいよ。お茶は今度にしよう」

 友莉子は目をパチクリさせ、桜宮さんが私の左手にある引き出物を取り上げるのを見ている。

「あ、あの……?」

 なぜ引き出物を桜宮さんが持つのかわからない。まだロビーにいるCAたちの視線をひしひしと感じて、隠れたい気持ちに襲われる。

 彼女たちの視線などまったく気にしていない彼は、私と自分の引き出物の紙袋をまとめて持つ。そして、私の左腕を軽く掴んで歩きだした。

「行こう」

「い、行こうって……ゆ、友莉子っ」

「砂羽、またね!」

 友莉子はニコニコと笑みを浮かべながら、桜宮さんに連れていかれる私に手を振った。彼女から離れるときに振り返った私の視界の隅に、CAたちが茫然としている顔を捉えた。

 これって、まずいよ。またなにか言われてしまう。なんといっても同じ会社で働き、食堂などで会うこともあるし、ゲートでも。

 そう思いながらも、きっぱり断れない自分がいる。

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