雨のリフレイン
仕方ない。

ドレスも立派なものを用意してもらっていた。色々準備もしてもらって、お礼のつもりで、柊子はカメラの前に立った。
出来上がった写真を見れば、不釣合いだってわかるはず。とても、見本写真になるとは思えないけど。


「はーい、撮りますよー。笑って下さーい」

カメラのシャッター音が聞こえる。

「洸平、もっと笑えよー。
柊子ちゃんは、もっとリラックスして?」

翔太も叫ぶ。だが、2人の表情は固いまま。


「しょうがねーな。
友人、参上!花嫁は俺がもらうぜ」


翔太が2人の間に割って入る。しかも、柊子に抱きついた。


「お、おい、何してるんだ、翔太!」


水上は、慌てて柊子から翔太を引きはがそうとするが、翔太はさらに柊子をぎゅっと抱き寄せる。


「もう、お前には任せられない。柊子ちゃんは、俺がもらう。
毎日可愛がってあげるよ、柊子ちゃん。
だから、柊子ちゃんも疲れて帰ってきた俺を優しく慰めて」
「もう、また。翔太先生ったら冗談ばっかり。
疲れてるんですねー。
よしよし」

抱きついた翔太の背中を、柊子は優しく撫でる。

中学校から高校までアメリカで暮らしていた翔太は、初めて会った頃から抱きついてきたり、頬にキスしたり、外国人のようなスキンシップをするから慣れていた。


「翔太。冗談でも長すぎる。離れろ」


水上が力を入れて翔太の体を掴む。


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