雨のリフレイン
「少し寝かせてやるか。
八坂、時間大丈夫?お母さん待ってるんじゃないか?」
「今日は大丈夫。お母さん最近体調良いんだ。
新しいお薬が合ってるみたい」
「そっか、それは良かった。八坂と夕飯食うのも久しぶりだな」
「そうだね。…愛美、大丈夫かな?」
「すぐ、立ち直るさ。いつものことだろ」

確かに、愛美は医学生や研修医を捕まえては振られるを幾度となく繰り返していた。

「愛美は、男運ないね。なかなか上手くいかないのはどうしてなんだろ。こんなに可愛くて、良い子なのに」
「理想が高すぎるんだよ。
医者なんて、相手には困らないんだし、愛美みたいな若くて可愛い子なんてつまみ食いには最高じゃん。コイツも、相手が医者だとすぐ寝るだろ。まぁ、軽い女だと思われるんだろうな。学習しないヤツだよ」
「そっか」
「愛美もさ、もっと自分を大事にして、身の丈にあった相手と付き合えば上手くいくと思うよ」

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