雨のリフレイン
「お疲れ〜。
あ、圭太から、招集かかってる!
この後飲みに行くって」

圭太というのは、愛美と仲の良い同級生だ。
しょっちゅうイベントを企画してくれる。

柊子は、机に広げた資料を手早く片付けて時計を見る。
思っていたより手間どってしまった。

「じゃあね、愛美」
「たまには柊子も行こうよ」
「今日は、バイト。ごめんね」
「休んじゃえば?このところ、実習にレポートに忙しかったから、少しくらい羽伸ばさないと」
「忙しかったから、バイト出来なかったの。
皆に、ヨロシク!じゃあね!」


柊子はヒラヒラと手を振って愛美と別れた。


大学は、奨学金制度を利用している。
普段の生活も、亡き父の残してくれたものもあるから、何とかなる。

だが。柊子に余裕は無かった。
飲み会等の遊びにはもうずいぶんと参加していない。

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