雨のリフレイン
「あれ?柊子ちゃん寝ちゃった?」


翔太は、いつしかソファに体を預けたまま柊子がまぶたを閉じていることに気づいた。


「今日も朝方まで勉強していたみたいだから、疲れてるのね」


母が膝掛けを柊子に掛けてやる。


「洸平、俺、わかった。
お前が三年もあそこで頑張れたのは、信子さんと柊子ちゃんがいてくれたからだな?
信子さんのご飯食べて、話を聞いてもらって。
こんな可愛い柊子ちゃんに応援されて。
さっき、ぎゅっとしたらすげぇ癒されたし。ほっぺなんてスベスベで思わず食べたくなったよ。
俺もこのマンションに引っ越そうかなぁ。
柊子ちゃんとも進展してないみたいだし。
洸平、グズグズしてるなら、俺がもらっちゃうよ?」


眠っている柊子に歩み寄り、抱き上げようとした翔太。
その翔太の腕を水上が掴む。


「まだ、学生だ。
しかも、卒業までは忙しいはずだ。今一番にやるべきなのは、勉強だから」
「いやいや、ツライ勉強だからこそ、息抜きでデートとかさ。
ってか、そもそも、まだ手を出してもいないんだろ。せっかく結婚までしておいてさ。
俺なら柊子ちゃんが相手なら、毎晩頑張っちゃうけど」


水上は、小さく笑って、翔太をソファに引き戻す。それから、翔太に代わって柊子を抱き上げた。






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