恋叶うオフィス
「で、俺は誰と結婚したいのだろうと考えたんだよね。それで、浮かんだのは渡瀬だ」


ビシッと指を指されて、私はビクッと体を揺らした。


「やっぱり渡瀬がいい。けど、いつも武藤が近くにいてガードしているから、ダメかなと諦めがちになっていたけど、今こそチャンスだと急いで来たんだよ」


私と武藤を心配してくれていたのではなかったのか……宇野くんらしいといえば、らしい。彼は強引な性格である。


「ちょっと、宇野くん……。いきなり過ぎて、引くんだけど」

「すぐ返事くれとは言わない。結婚は一生のことだから、考える時間はやる。でも、長く時間をやると武藤に邪魔されるかもしれないから……そうだな……」


どのくらいの時間待つかなと宇野くんが腕を組んで、視線を天井に向けたとき……この部屋のドアがノックされた。

「はい?」と返事をするとドアが開かれる。訪ねてきたのは、武藤だった。


「なんで、武藤が来るんだよ?」


宇野くんがしかめ面で武藤を見る。


「宇野と渡瀬がここに入っていったと聞いたから」

「だからって、なんで来るんだよ?」

「気になってね」
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