恋叶うオフィス
すると、里香は目ざとく私が手にしていたケーキの箱を見て、目を輝かせた。


「あ、それ! 私も食べたいと思ってたとこの! えっ、何個入ってるの?」

「あー、4個だけど」

「4個? 1、2、3……」


武藤の4個という答えに里香は、私、武藤、里香と指を指す……食べたいんだなと苦笑してしまう。

武藤の顔を見ると、同じことを思ったのか私と目を合わせて、苦笑した。


「里香も一緒に食べる?」

「いいのー? ありがとう! これ、人形焼き。これも食べよう!」

「人形焼き? ありがとう。ふたりともあがって、あがって」


武藤と里香を招き入れて、私はアイスティーの用意をした。人形焼きには緑茶が合うけど、ここはケーキに合う紅茶にする。

里香がケーキ用の皿とフォークを出してから、持ってきた人形焼きも別の皿に乗せた。今日は会社の同僚と浅草に行ってきたらしい。

武藤はローソファーに座って、私たちの話に耳を傾けて待っていた。


「やっぱりここのケーキ、美味しいね。で、武藤くんは、どうして柚希にケーキを持ってきたの?」
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