彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


映画を見る前に、男女兼用の多目的を使った。

多目的と言っても、車いすの人とベビーカーを利用する親御さん優先のトイレだ。

元々、トイレによく行く方じゃないけど、それでも『凛道蓮』の時は、すごくトイレに気を遣う。

だって、最悪の事態を想定した時、男子トイレを使うと犯罪になるので入れない。

なので、『凛道蓮』の時は、多目的トイレかそれらしいトイレを使う。

使用する際、白い目で見られることもあるが、男女共有はここしかない。

何度も心の中で「ごめんなさい!」と謝りながら使う。

コソコソしながらトイレから出て、列に並んでいた瑞希お兄ちゃんの元へ戻った。


「ただいま、瑞希お兄ちゃん。」

「おう、おかえり。混んでたか?」

「ま、まぁまぁですね~」

「やっぱ、俺の方が待たせちまったな~」


先にトイレを済ませていた瑞希お兄ちゃんは、そう言って気まずそうに笑う。

映画鑑賞の必須アイテム(!?)だという瑞希お兄ちゃんのお言葉に従い、劇場内で飲み食いするための飲食物を買うための列に並んでいた。

縦に並んでいる瑞希お兄ちゃんの、順番待ちの列に混ざらないような位置で彼の隣に横に並ぶ。

瑞希お兄ちゃんいわく、映画を見に来ているみんなが、飲み物と食べ物を買うタイミングは大体同じ。

だから少しでもスムーズにと考えた時、1人が売店の列に並んで、もう1人がトイレに行く。

その後、トイレから帰ってきた方が売店の列に並んでいる方と交代してトイレに行けば、一緒に行動して動くよりも効率が良い。

そんなわけで、先に瑞希お兄ちゃんがトイレに行って、私が交代して戻ってきたわけである。



(交代制にしてもらえてよかった・・・!一緒に行動していたら、使うトイレのことでいろいろ言われそうだったから・・・!)



〔★瑞希の提案、凛は合理的に隠ぺいできた★〕



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