彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
反論が出なかったことでホッとする。
「どうやらみんな、学校へ行く気になってくれたようですね?よかった~!」
「よくねぇーよ!俺は『自主的』に行くとは言ってない!総長権限さえなけりゃなぁ~!!」
「そうだそうだ!カンナを惑わせやがって~!」
「誰が凛に惑わされてんだよ、悠斗!?戸惑うことはあるけどなボケ!!」
ゴン!
「痛っ!?カ、カンナぁ~!?」
カンナさんから、ツッコミにしては強めのコブシが悠斗君の頭部に入る。
「四の五の言わずに凛に付き合えや!一蓮托生、覚悟の上だろーが!?違うんか、悠斗!?」
「ち、違わねぇけどよ~」
「ふざけんなボケ!なにカンナに言いくるめられてんだよ!」
「大河っ!」
カンナさんに押されていた悠斗君を、円城寺君が援護する。
「いいか、俺らは龍星軍の看板背負ってるんだぞ!?ルール守って良い子ちゃんするような、中途半端なツッパリは、他の奴らにやらせてればいいんだよ!!そんなダセェことできるか!」
「ダサいのですか、円城寺君?」
「そんなこともわかんねぇーのか、凛道!?学生=勉強にこだわんな!ぬるいことしてっと、他の族に寝首かかれっぞ!気合い入れろ!!」
「ぬるいことをしてるつもりはありませんが、円城寺君のこだわりは・・・・・・・めんどくさいですね。」
「ケンカ買ってほしいんか、テメーはっ!?肝心なところでテメーは甘ちゃんなんだよ!!だからダメなんだろーが!?」
「ダメなんですか、円城寺君?」
「頭としてダメだろう!!?」
龍星軍への愛にあふれる男子の言葉。
「―――ということだって!瑞希お兄ちゃーん?」
円城寺君への返事に困った僕は、それを右から左へ、好きな人へと受け流した。
〔★漫才では、『流しボケ』ともいう★〕
「ぶっ!はははは!ダメなことねぇーぜ?いいんじゃねぇーのぉ~学校に行くの?」
「「えっ!?」」
僕の問いに爆笑する瑞希お兄ちゃんと、そんな初代龍星軍総長の言葉に固まる円城寺君と悠斗君。
「み、瑞希先輩!?」
「マジすか真田先輩!?」
「はっはっはっ!学校って言っても、今日は始業式だけだろう?」
楽しそうに言うと、円城寺君達を見ながら瑞希お兄ちゃんはしゃべる。