彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


話題を変えるために言えば、私の好きな人は、けげんそうな顔をする。


「開けましょうって、凛・・・その前に手洗いとうがいだ。」

「あ!?すみません!すぐに!」

「ほら、エプロンを忘れんな。」

「ありがとうございます!」


瑞希お兄ちゃんの指摘と共に、お店で使う前掛けの装備を装着する。


「きゃん♪今日も可愛いわ~凛ちゃん!あたしが作ったギャルソン姿、ホント可愛い!!」

「そういえば、凛たんの着てるエプロンをほしいって客からのオーダー来てるぞ~?製作者のモニカちゃん?」

「わははは!じゃあよ、凛助の着けてるエプロン、店で売ろうぜ!!」

「店の制服を販売できるか、馬鹿者。しかし・・・類似品のならば、売ってもよかろう。」

「えー?あたし、凛ちゃんのために作ってるんだけどぉ~?」

「つーか、凛が着てるから、良いって思われてるんだろう?」

「そ、そんな~!瑞希お兄ちゃんてば、お世辞がお上手で~!」


好きな人からの思わぬ褒め言葉に、恥ずかしいけど嬉しくなる。


「ちょっと凛ちゃん!みーちゃんの言葉だけに反応しないでぇ~!モニカちゃんの方が、先に褒めてたでしょうー?」

「褒めるってか、事実じゃん?凛たんがキュートなのは~?」

「フン・・・素直な分だけ、可愛げはある。」

「わはははは!!で!?いくらで売るんだ!?オーダーなら、がっぽり儲かるぞ~!?」

「だからあたしは!凛ちゃん専属だから、いーやって言ってるでしょう~!?」

「コラコラ、オメーら!おしゃべりはその辺にしろ!凛も着替えたなら、手洗いとうがいして来い!」

「は、はい!すみません!」

「出来たら、アルコール消毒してやるから急げ!」

「は、はぁーい!すぐにしまーす♪」

(わーい♪やったー♪瑞希お兄ちゃん直々のアルコール消毒ぅ~♪)



時々は自分でするけど、優しい彼はいつも私の手にスプレーして下さる。

宣言された甘やかしに、私の幸せ気分は上昇。

今夜も良い夜になりそうだと思いながら、洗面所へと向かった。






~本日恋愛大吉日!?元ヤン様から溺愛中~完~






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