彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「そんなに『兄貴と2人』だけが良かったのかよ、ブラコン!?」
「痛っ!?ちょっとカンナさ~ん??」
頬をふくらませながら僕を小突くと、そのまま僕の腕に自分の上を絡めるカンナさん。
それを反対怒鳴りで見ていた瑞希お兄ちゃんが、ニヤニヤしながら僕に小声でささやく。
「よかったなぁ~凛!高千穂がついてきてくれて?」
「その顔、やめてもらえませんか・・・!?」
「照れるなよぉ~!」
僕とカンナさんが恋仲だと勘違いしてる瑞希お兄ちゃんからの冷やかしは、かなりつらい。
「カンナっちだけズルい系~!俺も俺も!」
そこへ更なるカオスが追加される。
「俺もリンリン、お見送りしたげる系~」
「え!?」
「俺もお供します!凛さん!!」
「えっ!?」
「光である我が君に、影のように寄り添う、オ・レ♪」
「ええっ!?ちょっと!?」
「カンナが行くなら俺もだ!」
「ちょ!?」
「大河どうする?」
「・・・瑞希先輩が行くから行くわ、ボケ・・・・!」
「え~・・・!?」
あっという間に、パズドラのドロップのように増えていく。
(じゃ、邪魔者が増えた!!)
ゲームのように、移動させたり、3つそろえば消せないところが残念だ。
〔★ほぼ、全員ついてきた★〕
こうして、ぞろぞろとみんなで固まってガレージに向かう。
「そういや、凛はどこの高校なんだ?」
「え?」
思い出したようなそぶりでカンナさんが聞いてきた。
「凛、中坊じゃないんだろう?そうなると、第一中学じゃない。高校なら、どこの学校に行ってんだよ?」
「え!?そ、それは・・・」
「凛はこの夏で、さらに有名になったからなぁ~送り迎えぐらいしてやるから教えろよ?」
「そ・・・・」
それは出来ない。
てか、どこの高校に行ってるかなんて、絶対に話せない。
「お、お気持ち気だけで十分ですよ~!」
笑ってごまかす。
(『100%、凛道蓮の学校をカンナさんが発見することはできい』と確信は持てるけど――――!!)
それでもヒントは出せない。
バラすわけにはいかない。
(私の恋路がピンチになる!!)
〔★今まさにピンチだ★〕