彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
目の前で繰り広げられる争い。
一緒に目撃することになった関西男子が聞いてきた。
「うはっはっはっ!どないする、りーん!?」
ヤマトの問いに、私は即答した。
「ヤマトが良いです。」
「凛さん!?」
「リンリーン!?」
「そんな、わがきみぃ~!?」
「あきらめろ、オメーら!」
「瑞希お兄ちゃん。」
3通りの呼び方で私を呼ぶ男子達に、それまで静観していた瑞希お兄ちゃんが言う。
「凛の好きなようにさせてやれ。あんましつこいと、嫌われちまうぞ?」
そう言って私をフォローしてくれる好きな人。
「凛は聞き分けのいい奴が好きだもんなー?」
「は、はい!」
さらには、プライスレス的な極上の笑顔まで向けて下さる。
もう最高~!!
「うははは!悪いのぉー!瑞希はんもこうゆーとることやから、わしでよろしくー!!」
「くっ・・・!今回は譲ってやるぜ、五十嵐・・・!」
「真田せんぱぃに免じて、引くだけだからね~ヤマトっち!?」
「いずれ必ず、下克上。」
「うはははは!!照れるのぉ~!?」
「どこに照れる要素がありますか!?」
むしろ、私の送迎をあきらめてないところが油断できない!!
〔★引き続き、警戒が必要だ★〕
「ほな、凛!帰ろうかぁ~!?うははは!」
「う、うん。」
手招きをするヤマトに従い、彼の単車であるGSX1300Rハヤブサの後ろに乗る。
「あ、待て凛道!まだどこの高校か申告しろや!」
「え、円城寺君・・・!」
あきらめてくれてない総長代行が、食い下がりながら私に接近してくる。
「それ言わねぇうちには、話は終わんねぇぞ!」
「いいや!話は、終・わ・り・だ、大河!」
「み、瑞希先輩!?」
私と円城寺君の間に、瑞希お兄ちゃんが割って入る。