彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


「めっちゃ、のど乾いたわー!!うははは!!」

「ヤマト!?」



僕にくっついていたのは、龍星軍のメンバーの五十嵐ヤマト君。

特攻隊長の肩書にふさわしい動きで、私に抱きついてくれた。


「うははははは!!」


見た目は、頭にカチューシャ、人相のわからないサングラスをかけた元気な関西弁男子。

とてもにぎやかで、おしゃべり、声が大きくて・・・すごくにぎやか。

どれだけ、にぎやかかというと、



「うはははは!!!わしのドリンクどこー!!?秀君!!」

「うるっせぇー!!ほらよっ!!」



穏やかな秀君がブチ切れるぐらい。



「いっただきまーす!!ズズズ―――――!ごちそんさん!!」

「もう飲んだの!?早いですね!?」



〔★秒飲みだった★〕


「早すぎだろう!?運んできてやった俺への感謝もなしで、一気飲みすんなや!!」

「うはははは!!すまん、すまん、秀君やー!おかげで渇きから救われたわ!なんせ急いどったからのぉ~!!」

「これ以上、どう急ごうってんだテメーは!?」

「そらぁ~凛に決まってるやん!?うははははは!!」

「はあ!?凛君だぁ~!?」

「せや!せや!ほれ、凛!!帰るんやろう!?わしのバイク直ったから、後ろに乗り!うはははは!!」

「わっ。」


そう言うなり、僕をひょいっと摘み上げて修理が終わった単車の後ろに置くヤマト。



「「「ちょっと待ったぁー!!」」」



そんな私達を見て、可児君とちーちゃんとつなぐが声をそろえて叫ぶ。


「五十嵐、なに勝手に仕切ってやがる!?凛さんをお送りするのは俺だ!」

「ノンノンノン!リンリンをお届けするのは俺ー!!」

「ここは迅速丁寧で、ちゃんと仕事ができる俺でしょう?ねぇ、わが君~!?」

「俺が送るっ!」

「俺ぇ~!」

「俺でしょう?」


激しく自己主張してくれる仲間達。


(はっきり言って、ありがた迷惑・・・)


〔★嬉しくない親切だ★〕


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