彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)
「え!?なに?え?スマホ?あれ、でもこれ画面が・・・??」
渡された機械には地図が表示されており、中央の一か所が赤く点めつしていた。
ドラマとかアニメで見るような――――――
「あ!?もしかしてこれ、発信機!?」
聞き返せば、少しだけ速度が落ちる。
「どういうこと・・・・??」
この赤く点めつしてるところを目指してるの?
(あ!?待って!この点めつしてる場所、永山達の隠れ家の1つじゃない!?)
「そっか!永山は、ここにいるんですね!?」
ギュウオオン!
直観コールが鳴る。
正解らしい。
〔★返事はバイク音で返ってきた★〕
「でもどうして、指定された場所にいないの!?いや・・・約束の時間より早く乗り込んでくる可能性もあるから、約束の時間まで、別の場所で待機してるってことですか!?」
ギュウオオン!
「なるほど!考えてますね~!?」
「なにがだい、4代目さん!?」
横から声がした。
必死な表情の神城さんだった。その少し後ろに速水君がいる。
「聞いて下さい、神城さん!敵は、他の場所で待機していて、約束の時間まで動かないらしいんです!」
「はあ!?じゃあ、亜都子達は『吉野原』にいないのか!?」
「大丈夫です!いる場所は、この発信機の赤く点めつしてるところにいます!」
「はあ!?おいおい、どうしたんだ、その発信機!?いつの間に!?てか、誰についてる発信機だい!?」
「だれですか、ヘルメットマンさん!?」
「オメーじゃねぇーのかよ!?つーか、そいつ!マジで信用していいのかい!?」
「大丈夫です!僕はこの方に、何度も助けられてますから!あの!いつもお礼を言いそびれていましたが、本当にありがとうございます!!」
ギュウオオン!
感謝の気持ちを伝えれば、バイクが一気に加速する。
「おい、待てよ!」
「は、速いんだよ、ちくしょー!」
再び2人と距離ができたが、仕方ないと思う。
「頑張って下さーい!瑠華さんと亜都子ちゃんを助けるためには急がないと!」
「そうだけどよぉー!?」
「テメー乗せてもらってる立場だろうがクソガキィィィィ!!」
確かに楽をしている。
そう思うと、私を乗せてくれている運転者に罪悪感がわく。