彼は高嶺のヤンキー様6(元ヤン)


人混みの中、彼と共に映画館へと進む。

目的の映画館は、ショッピングモールの中にあった。


「最近、映画自体、見に来てなかったからな~楽しみだ!」

「それはよかったです。きっと楽しめますよ。」

「おう!凛と一緒だからな。」

「え!?あ、ありがとうございます!」


ニヤリと笑いながら言う相手に、思わずはにかんでしまう。

恥ずかしくてうつ向けば、自然な動きで肩を抱き寄せてくれた。



(ああ・・・嬉しい・・・!)



好きな人の体温を感じていれば、愛しい声も耳に届く。



「凛。せっかくここまで来たんだから、ほしいもの買ってやるよ。」

「え?」



思わず顔を上げれば、真面目な顔で私を見ていた。

聞いてきた。



「映画のついでだ。なにがいい?」

「いえ・・・」

(まだ言うの?あんなに断ったのに・・・)

「なにもないです。」



瑞希お兄ちゃんの好意に感謝しつつも、首を横に振った。


「本当に、買ってほしいものはありません。」

改めて、NOと伝える。


(瑞希お兄ちゃんはお金で買えないし。)


買えるものなら買ってるもんねー



〔★人間に値段をつけてはいけない★〕



「そっか?・・・陽翔と違うんだな・・・」

「はると?」



ボソッとつぶやいた声を、名前を聞き逃さなかった。



「陽翔って、伊吹陽翔さんですか!?」



伊吹陽翔というのは、今は亡き、龍星軍の2代目総長にして、瑞希お兄ちゃんの最初の後輩!!

瑞希お兄ちゃんのことで、私が一番焼きもちを焼いてる人!!

この世で1番の嫉妬の対象!!


(ホント奴のおかげで、どれだけ瑞希お兄ちゃんが困っているやら・・・!!)

あいつが2代目総長として変な死に方したせいで、瑞希お兄ちゃんは後悔とザンゲの日々を送る羽目になったんだから!!


(何かって言うと、瑞希お兄ちゃんは『陽翔、はると』って~~~ムカつく!!)



〔★凛も伊吹陽翔の被害を受けている★〕



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