強がりな私の日々
ー省太先生の部屋で

省太「で、最近どう?大学慣れた?」

「まぁ。勉強は楽しい、興味のある事だし」

省太「そっか。良かった。友達は?」

「んー…」

省太「話す子はいるけど、気使う感じか。」

省太先生にもバレバレだ。私たちは大学での生活と体調のことについて話した。

省太「入院なんだろ。またちょこちょこ病室覗きに行く。」

「はい」

省太「この2ヶ月、怖いことはされてないよな?」

省太先生が真剣な目で私を見る。私は目を逸らした。

省太「はぁ…、そうなのか。大丈夫か?」

「怖かった、ダメ、フラバする…」

私は震えながら痛くなる胸を抑えて浅くなる呼吸必死に落ち着けようとした。

省太「はー、わかった、わかった。大丈夫、大丈夫。」

省太先生は背中をさすり、ゆっくり呼吸を落ち着けるの手伝ってくれた。

省太「わかった、今日はこれぐらいにしとく、また明日にでも病室に行くよ。」

ガチャ…ドアが開いて奏翔さんが顔を覗かせる。

奏翔「あっ、タイミング悪かった?手続き出来たよ。夢菜、病室動ける?」

省太「いや、大丈夫。ちょっと過呼吸になってただけだから」

奏翔「じゃあ、動く前に脈測らせて」

奏翔さんが時計を見つつ、脈を測っている。

奏翔「いいよ、動こう。」

「じゃあ、省太先生また」

2人で省太先生の部屋を出て病室に向かった。見慣れた病室、入院するのは約3ヶ月ぶりだ。冬に少し体調を壊して入院した。あの時はお母さんと奏翔さんがケンカして大変だったなぁ。

「お母さんに連絡しました?」

奏翔「してないよ。今のところGWだけだから。」

「良かった。」

奏翔「着替えて寝てて。俺点滴取ってくるから」

「はい」

また、ここに来てしまった。ナムルは美香さんに頼んで省太先生の実家に預かってもらおう。

ガチャ、奏翔さんが戻ってきた。検査して3人とたくさん話して少し疲れた。体調もまた、少し悪くなってる気がするし…。

奏翔「体調どうだ?夜ご飯18時で、まだ結構時間あるけど何か食べるか?」

「大丈夫です…ご飯も今はいらないです。」

食欲ないからいらないし、夜ご飯も少ししか食べれないと思う。

奏翔「悪化したか、夢菜熱測ろ。」

なんでばれるのかな。本当に嫌だ。
ピッピッ…37.6℃だ。なんだろ少しずつ高くなってる。
最近、熱なんて出してなかったのに。私の平熱は35℃台なため、これは高いほうだ。ドッと疲れが出たのかな。

奏翔「解熱もいる?まだいい気もするけど。食べないならとりあえず補液は入れるよ。」

「じゃあ、いらない。8℃行ったら考えます。」

奏翔「分かった、寝とけ。持って来るもの海翔と美香さんにお願いしようと思ってるけど、着替え以外何か欲しいものある?」

「iPadと英検のやつかな」

奏翔「いいけど、勉強するの?」

「うん、課題あるし。暇な時本読みたいし」

奏翔「分かった。いいよ。無理はすんなよ。」

「ありがとう。」

奏翔「そしたら、点滴刺すよ。」

「嫌です。」

奏翔「痛くしないから。今日ほぼ何も食べてないんだし」

「はい。」

私が食べないっていうのわかってたから、奏翔さん点滴持って来たのかな。
奏翔さんに点滴を刺してもらい、疲れていたためすぐに寝てしまった。
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