コーヒーのお味はいかが?
「結可?」


心配そうに湊はあたしの名を呼んだが、ロクに返事もできない。


「結可。こっち見て」


こんな顔、見せられないよ。

あたしは俯いたまま、首を横に振る。

そんなあたしの頬を優しく包み込むと、上を向かせる。


「なんで、泣いてるの?」


そんなこと、聞かないでよ。


「そんな顔されたら、別れられなくなる」


なら、一緒にいてよ。

あたしのこと、振らないでよ。


「だけど一緒に居たら、俺は結可に色んなことを望んじゃう」


あたしは今まで、1度でも湊の望みを叶えてあげられていただろうか?

いつも湊の優しさに甘えて、何も返せていなかった。

なのに、最後まで湊のことを困らせてる。

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