あなたの隣にいてもいいですか
「大雅君。 一年間の留学、がんばってね。留学に行くまでの間、会うのは今日で最後にしよう」

少し俯き加減にしていた大雅君が、ガバっと顔を上げて

「なんで??まだ一か月以上も先じゃん。何でそんなこと言うの?俺は毎日だって会いたい。」

驚いたのか、珍しく大きめの声でまくしたてるように言う。私だって、もう少しの時間、一緒に居たいと思う。だけど、会えなくても辛いが、会っていても辛いのだ。それに、大雅君が留学したくない、なんて言い出すのは、良くないことだと思う。私が会うことがマイナスになっているような気がしてならない。

「ごめんね。自分のことばっかりになっちゃって申し訳ないんだけど大雅君が行ってしまった後の自分が不安なんだ。大雅君ロスがどこまで自分に影響するのか、わからくて。仕事も手につかなくなっちゃうかな、とか。寂しさのあまり、自棄になって変なこと考えちゃうかな、とか。だから、今から少しずつ慣れたい。
京都の旅行はとても楽しかった。あの思い出があれば、大雅君の留学が有意義なものであるように心から応援できる。だから、元気で、気を付けて行ってきてね。」

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