闇色のシンデレラ
力さんが出てきた場所から顔を出した小さな人影。
おそらく4,5歳と見られる男の子で、Tシャツに半パンで元気いっぱいな感じ。
裸足で一生懸命走る様子がすごく可愛い。
「剛、剛、つよしー!」
その子は剛さんの名前を連呼しながら全力疾走し、そしてなんと、彼の足元に抱きついた。
この極道顔の剛さんに。繁華街を歩けば間違いなく人が避ける彼に。
「剛みっけた!だっこして!それかおんぶ!」
男の子は飛びついて抱っこをせがむ。
なんて勇気のある子だろう。
「……はあ」
抱きつかれた剛さんはうんざりしたように片手で顔を覆ってため息。
……剛さんのため息初めて聞いた。
「ねえねえだっこー!……あれ?」
お構いなしによじ登ろうとする男の子は動きを止めた。
そしてわたしのいる方へひょいと顔をのぞかせる。
「おねえちゃんだれー?」
見知らぬ人間を発見した男の子は、ててっとこちらに走り寄り───
「おねえちゃんだっこ!」
「はい?」
腕を広げてわたしに飛びついてきた。
何この子、すごい可愛い。大きな目がキラキラしててほっぺたぷにぷにでめちゃくちゃ可愛い。
この歳で全然人見知りしないなんて珍しいなぁ。
抱き上げてあげたいけど、いいのかな。抱っこしてもいいの?
「こら、憂雅」
ところが不意に近づいてきた声に、男の子はビシッと直立不動になった。
おそらく4,5歳と見られる男の子で、Tシャツに半パンで元気いっぱいな感じ。
裸足で一生懸命走る様子がすごく可愛い。
「剛、剛、つよしー!」
その子は剛さんの名前を連呼しながら全力疾走し、そしてなんと、彼の足元に抱きついた。
この極道顔の剛さんに。繁華街を歩けば間違いなく人が避ける彼に。
「剛みっけた!だっこして!それかおんぶ!」
男の子は飛びついて抱っこをせがむ。
なんて勇気のある子だろう。
「……はあ」
抱きつかれた剛さんはうんざりしたように片手で顔を覆ってため息。
……剛さんのため息初めて聞いた。
「ねえねえだっこー!……あれ?」
お構いなしによじ登ろうとする男の子は動きを止めた。
そしてわたしのいる方へひょいと顔をのぞかせる。
「おねえちゃんだれー?」
見知らぬ人間を発見した男の子は、ててっとこちらに走り寄り───
「おねえちゃんだっこ!」
「はい?」
腕を広げてわたしに飛びついてきた。
何この子、すごい可愛い。大きな目がキラキラしててほっぺたぷにぷにでめちゃくちゃ可愛い。
この歳で全然人見知りしないなんて珍しいなぁ。
抱き上げてあげたいけど、いいのかな。抱っこしてもいいの?
「こら、憂雅」
ところが不意に近づいてきた声に、男の子はビシッと直立不動になった。