闇色のシンデレラ
SIDE 壱華
「……」
「冬磨様」
「……」
「冬磨?」
さて、この状況はどうしたらいいのか。
紘香さんに会わせてくれるという司水さんについていくと襖に唐獅子が描かれた和室に通された。
そこには、組長さんが紘香さんを脚の間にはさんで座っていて、わたしは彼らの前に正座している。
そしてわたしは、組長さんが怖すぎてヘビに睨まれたカエルみたいに身動きがとれなくなっていた。
「ごめんね、壱華ちゃん。お話したいのは山々なんだけど……冬磨、機嫌が悪いの」
委縮しているわたしを見て、紘香さんは組長さんをなだめるように体に触れる。
愛妻に優しく撫でられて、彼の表情がほんのり和らぐところ、彼は本当に彼女に心酔しているんだろうな。
……いいなあ。
想い想われて、決して切れない絆を持って、永遠を誓い合って、お互いを愛しながら、この刹那を生きることができて。
本当、うらやましい。
「冬磨様、そろそろお時間です」
「……」
「冬磨様」
「……おい、お前」
と、2人を羨望の眼差しで見つめていると、組長さんに名指しされた。
いつもならすぐに目を泳がすのに、猛獣のような彼の危険な瞳からは逸らすことができない。
すると彼の口がゆっくりと動き——
「紘香に下手な事すんじゃねえぞ」
どっかで聞いたような台詞を言い捨て、立ち上がって金獅子の間から退出した。
「……」
「冬磨様」
「……」
「冬磨?」
さて、この状況はどうしたらいいのか。
紘香さんに会わせてくれるという司水さんについていくと襖に唐獅子が描かれた和室に通された。
そこには、組長さんが紘香さんを脚の間にはさんで座っていて、わたしは彼らの前に正座している。
そしてわたしは、組長さんが怖すぎてヘビに睨まれたカエルみたいに身動きがとれなくなっていた。
「ごめんね、壱華ちゃん。お話したいのは山々なんだけど……冬磨、機嫌が悪いの」
委縮しているわたしを見て、紘香さんは組長さんをなだめるように体に触れる。
愛妻に優しく撫でられて、彼の表情がほんのり和らぐところ、彼は本当に彼女に心酔しているんだろうな。
……いいなあ。
想い想われて、決して切れない絆を持って、永遠を誓い合って、お互いを愛しながら、この刹那を生きることができて。
本当、うらやましい。
「冬磨様、そろそろお時間です」
「……」
「冬磨様」
「……おい、お前」
と、2人を羨望の眼差しで見つめていると、組長さんに名指しされた。
いつもならすぐに目を泳がすのに、猛獣のような彼の危険な瞳からは逸らすことができない。
すると彼の口がゆっくりと動き——
「紘香に下手な事すんじゃねえぞ」
どっかで聞いたような台詞を言い捨て、立ち上がって金獅子の間から退出した。