闇色のシンデレラ
「それで、志勇から連絡はあったのかしら」



その後30分ほどお母さんとガールズトークを繰り広げていた。


ところがその言葉にわたしはフリーズ。


慌ててポケットに入れたままのスマホ取り出せば。



「うわ……」



志勇、志勇、志勇と、着信履歴が15件。


最新のメッセージを開くと「そこから動くな」のたった7文字。


簡潔すぎて逆に怖い。




それより心配なのは、わたしを本家に連れて来てくれた剛さんが、とばっちりを受けてしまったらどうしようということ。


志勇のことだから何らかの制裁を加えるかもしれない。


たとえば剛さんの大事にしてる車を破壊するとか、やりかねない。


折角故障した部分も綺麗に直して、年季入ってるけど大事に乗ってるのに───って、車?


そういえばわたし、剛さんに謝ったっけ。


わたしのせいで壊れたサイドミラーとボンネットの件、謝らなきゃとかいいながら、わたし、謝罪してなかった。


……大変だ。



「どうだった?」

「志勇、仕事が終わり次第ここに来るそうです」

「あらそう、じゃあそろそろ来るかしら。
壱華ちゃんのためならあの子行動が早いからねー」

「そうなんでしょうか……あ、あの、お母さん」

「はい、なあに?」

「志勇が来る前に剛さんにお話したいことがあるので、行って来てもいいですか?」



これはガールズトークに花を咲かせている場合じゃない。




「剛に?ええ、どうぞいってらっしゃい」

「はい、ありがとうございます。失礼しました」



そしてわたしは金獅子の間から外へ出た。


思い立ったらすぐ行動っていうし、時間がある内に剛さんに謝りに行こう。


同じように、知りたいことがあるなら自分から動かなきゃ。











わたしのこの考えが、大きな過ちを生むとは夢にも思わず。









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