独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
長い艶やかな黒髪と、透けるような白い肌、丸く澄んだ瞳……。可憐という言葉がぴったり合う彼女から視線を逸らすことができない。
天使って本当にいたんだな……。
パジャマの上にピンク色のカーディガンを羽織った彼女の背中に、真っ白な羽が生えているのが見えた。……ような気がした。
「お兄ちゃん、お酒くさい」
露骨に嫌な顔をして誠から慌てて離れる姿に心が和む。
「華。ご挨拶は?」
「こんばんは」
母親に促され、彼女が頭をペコリと下げた。
「こんばんは。遅い時間にごめんね」
「いいえ」
低い目線に合わせて腰を屈めると、彼女が黒髪を左右に揺らして首を振った。
風呂上がりのいい香りがふわりと漂い、思いがけず心臓がドキッと跳ね上がる。
おいおい、ドキッてなんだよ。ついこの間までランドセルを背負っていた少女相手に、あり得ないだろ……。
まさかの事態にうろたえると同時に、言いようのないショックを受けて顔が引きつるのを自覚した。
「さあ、どうぞお上がりください」
「ありがとうございます。でも時間も遅いですし、これで失礼します」
平静を装い、誘いを断って頭を下げると、玄関ホールから急いで外に出た。