独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする

「ところで桐島先生は、数学はお得意?」

「数学ですか? まあ、それなりには」

心臓外科の研修医である俺に対する的はずれな質問の意図がわからず、首をかしげた。

「実は華は数学が苦手で……」

「お母さん! 桐島先生の前でそんなこと言わなくてもいいでしょ!」

母親の言葉を遮った彼女が、頬を膨らます。

「だって、この前のテストの点数もひどかったじゃない。兄妹揃って数学が苦手なんて、困ったもんだわ」

「……」

ため息をつく母親になにも言い返すことができず、黙ったままうつむいてしまった。

この前顔を合わせたばかりの俺の前で、成績について嫌味を言われては不憫だ。

「華ちゃん。食事が終わったら一緒に勉強してみようか?」

「……はい」

渋々返事をしたその表情は曇ったままで、気が進まないということがバレバレだ。

感情表現が豊かな彼女から、ますます目が離せなくなってしまった。

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