独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
興味深く様子をうかがっていると、口を覆っていた大きな手が離れた。
「無自覚で煽るから、タチが悪い」
「えっ? あっ……」
少しバツの悪そうな表情を浮かべた彼の腕が、腰と膝の裏に回り、瞬く間に体が浮かび上がる。急な横抱きに驚きながら首に腕を絡ませると、樹さんが歩き出した。
行き先は聞かなくてもわかる。
心地いい揺れに身をゆだねていると、あっという間に寝室に着いた。
とうとう、このときがきた……。
「華……。好きだよ」
「……私も」
ベッドに下ろされ、ゆっくり覆い被さってくる彼と思いを伝え合い、くちづけを交わす。
暗がりの中、徐々に深みを増していくキスに夢中で応えていると、温かくてやわらかい舌が口内に侵入してきた。
離れては再び絡み合う動きに翻弄されているうちに、唇の端から吐息交じりの小さな声が漏れてしまう。
どうしよう。頭がフワフワしてきた……。
体の力が抜けてくるのを実感していると、重なっていた唇が首筋を這い、耳に移動していった。
「……んっ」
な、なに?
いったいなにが起きたのかわからず、樹さんのシャツを咄嗟にキュッと握ってしまった。
「もしかして耳、弱い?」
小さな低い声が耳に響く。