独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする

そう聞かれても初めてのことばかりで、どう答えればいいのかわからない。

言葉に詰まっていると、樹さんに顔を覗き込まれた。

「すごく感じたんじゃない?」

私を見下ろす瞳が、やわらかな弧を描いた。

そ、そうか。耳たぶを甘噛みされて“感じて”しまったんだ……。

羞恥を覚えて、なにも言えずに視線を逸らした。けれど甘い刺激が再び耳に走る。

「んっ……ダメ……」

嫌じゃないのに、拒否する言葉が口から勝手に出てしまった。それでも私を組み敷く力は、少しも弱まらない。

このまま耳を攻め続けられたら、どうなってしまうのだろう……。

不安を感じていると、彼の手が背中に回り込み、胸の締めつけから解放された。

えっ?

スウスウする胸もとに視線を向ける。

う、嘘でしょ……。

ブラジャーのフォックをはずされ、シャツがめくり上がっている自分の姿に驚き、声も出せずに固まってしまった。

覚悟を決めていたとはいえ、自信のない体を見られるのは恥ずかしい。

「……いや」

慌てて胸を隠そうとしたとき、大きな手の中に小さな膨らみがすっぽりと収まった。

「かわいい……」

樹さんがポツリとつぶやき、唇を寄せる。けれどその動きがすぐにピタリと止まった。

< 166 / 214 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop