独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする
樹さんと最後に会ってから、そろそろ二週間が経つ。
ビデオ通話でお互いの顔を見ながら会話をしても物足りない。
会えないつらさをひしひしと感じながら仕事を終えて通用口から外に出ると、脇から樹さんが突然姿を現した。
「華」
「……っ!」
「驚いた?」
「はい、とても……」
目を丸くする私を見て、樹さんがハハッと笑った。
もう……。
驚く私を見ておもしろがる彼に不満が募る。しかし久しぶりに会えた喜びのほうが断然強い。
つられるように笑みをこぼし、ふたりで微笑み合った。
仕事終わりに会いにきてくれたということは、もしかしたらこのまま一緒に帰れるのかもしれない……。
期待に胸が膨らんだものの、白衣を羽織っている姿に気づき、ガクリと肩を落とした。
「お仕事、まだ終わらないんですね」
「うん。でも、どうしても華に会いたくて抜け出してきた。少し話さない?」
爽やかな笑みを浮かべて甘い声をかけられたら、NOと言えるわけがない。
「はい」
しょげていたことなどすぐに忘れ、大きくうなずいた。
「手を出して」
言われた通りにすると、手のひらにイチゴ味のキャンディーがポトリと落ちる。
いつものやり取りがおかしくて、小さく笑った。