正しい恋を教えてください。
「思春期の高校生なんだから少しは刺激物が欲しいだろ?」




「古海とハルには今はいらない」




「そう?いつまでも夢見てるような楽しそうな雰囲気がイライラしそうになるよ」




「自分が古海のことが好きだから、ハルの座になりたいだけでしょ?」




その言葉に、なっ...と言葉を詰まらせた憂に、さらに追い打ちをかけていく。




「横取りなんてできたもんじゃないから、今のうちにいい関係にでもなっておこうとか?」




すると、憂は気が抜けたような様になり、どんどん望音のもとへ近づいた。




「お前。1回喋らないっていうこと勉強したほうがいいぞ」




気の立った目つきに、望音は少し引き気味になった。




「わかったわよ。私はただ、あなたの気持ちが知りたかっただけ」




じゃあね。




と望音が去っていくと、憂は階段にドスッと座り頭を抱えていた。
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