同期のあいつ
「フーン。で、お前は悠里が今回の黒幕で俺達が復縁するんじゃないかと思ったわけだ」
「うん、そう」
「ったく、バカだなあ」
またバカって言われた。
今日何度目だろう?

「でもね、今回の件は誰かが裏で糸を引いているとしか思えないし、悠里さんはライバル会社のお嬢さんだし、『鷹文を自由にしてください』何て言われてしまったし」

誰が考えてもその結論にたどり着くと思うけれど。

はあー。
鷹文は溜息をつくと、冷蔵庫からビールをとってきた。

あれ?飲むんだ。

「まず、お前は何で俺の事を信じられないんだ?」
「え?」

「そもそも、お前と悠里の間で俺をやりとりするみたいな会話が行われていることに腹が立つ」

まあ、そうだろうね。

「それに、もしそんな話があったんならまず俺に言え。1人で悩んだってどうしようもないだろう」
「だから白川さんに」
相談したんだよ。と言いかけて、
「バカッ。何でここに潤が出てくるんだっ」
余計に怒らせてしまった。

「いいか、冷静に考えろ。同じ規模のライバル会社が、これだけ多くの企業を巻き込んで嫌がらせができると思うか?」
「どういう意味?」

私は単純に、うちの会社の取引先が手を引けば本郷商事の利益が増えるから怪しいと思ったんだけれど。

「ネットの書き込みや談合の内部告発なんて誰でもできる。でも、企業に取引中止を申し入れさせるのは簡単じゃない。その企業より強い力を持った存在でないとできない」

そりゃあそうだね。
企業にだってメリットがなければ、成り立たないんだから。
でも、じゃあ誰が?

「なあ一華」
すごく真面目な顔で、鷹文が私を見ている。

「ど、どうしたの?」

グビグビ。
ビールを流し込み、鷹文は決心したように話し出した。
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