同期のあいつ
翌朝、鈴木から体調不良で欠勤の連絡が入った。

朝一できたメールにも、『まだすこし頭痛がするので今日は休みます』と書いていた。
きっと、頭痛よりも精神的ショックの方が大きいのかもしれない。

ブブ ブブ ブブ。
内線だ。

「はい、高田です」
『専務秘書室の青井です』
「お疲れ様です」
『お疲れ様です。今お時間よろしければ専務室までいらしていただけませんでしょうか?』
「わかりました。伺います」
そう答えるしかなかった。

専務秘書の青井麗子さんは、専務との結婚が秒読みと言われる超美人。
彼女が俺を呼ぶって事は、専務が呼んでるって事だよな。
それも名前を出さずに秘書に呼ばせるって事は、内密にしたい用件。
なんだか怖いなあ。

「ちょっと外すから、何かあったら携帯で呼んでくれ」
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