となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
今夜は昨日と同じ過ちを犯さないよう、ビールは控えめにしている。その分、ついつい食べたいものばかりで注文してしまい、お腹はいっぱいだ。
時計に目をやると、九時を過ぎている。そろそろ、帰った方がいいだろう?
でも、家にまだ彼はいるのだろうか?
美味しいもの食べて、社長との会話も慣れてきて、夢のような時間だったのに、私の気持ちは現実に戻されたように、一気に沈んだ。
スマホを確認しようと、トイレに行くと伝え席を立った。
スマホの画面には、着信が三件、ラインのメッセージも来ている。帰ったのか確認したいが、既読になるのも嫌で、そのままカバンにしまった。
ファミレスにでも寄って、もう少し時間を潰してから帰ろうかなどと考えながらトイレを出た。
席に戻ろうとすると、私のコートを持った社長が入り口の前に立っていた。
「行くぞ!」
「あの、お会計……」
慌てて、カバンから財布を出そうとすると。
「もう済ませた」
社長は、手にしていたコートを私の方に差し出した。
「私も払います」
「女に払わせるなんてダサい事出来るか」
社長はそう言って、店を出て行った。
「ご馳走様です。美味しかったです」
私は、店の二人に頭を下げ、社長を追いかけ店を出た。
「また、来てくださいね」
奥さんの声を背中で感じ、なんだか嬉しかった。
「あの、そろそろ帰ります。駅、向こうですよね」
社長の背中に向かって言った。
社長はゆっくりと振り向くと、真っすぐに私の方を見た。
「あんたを、帰すつもりはない!」
時計に目をやると、九時を過ぎている。そろそろ、帰った方がいいだろう?
でも、家にまだ彼はいるのだろうか?
美味しいもの食べて、社長との会話も慣れてきて、夢のような時間だったのに、私の気持ちは現実に戻されたように、一気に沈んだ。
スマホを確認しようと、トイレに行くと伝え席を立った。
スマホの画面には、着信が三件、ラインのメッセージも来ている。帰ったのか確認したいが、既読になるのも嫌で、そのままカバンにしまった。
ファミレスにでも寄って、もう少し時間を潰してから帰ろうかなどと考えながらトイレを出た。
席に戻ろうとすると、私のコートを持った社長が入り口の前に立っていた。
「行くぞ!」
「あの、お会計……」
慌てて、カバンから財布を出そうとすると。
「もう済ませた」
社長は、手にしていたコートを私の方に差し出した。
「私も払います」
「女に払わせるなんてダサい事出来るか」
社長はそう言って、店を出て行った。
「ご馳走様です。美味しかったです」
私は、店の二人に頭を下げ、社長を追いかけ店を出た。
「また、来てくださいね」
奥さんの声を背中で感じ、なんだか嬉しかった。
「あの、そろそろ帰ります。駅、向こうですよね」
社長の背中に向かって言った。
社長はゆっくりと振り向くと、真っすぐに私の方を見た。
「あんたを、帰すつもりはない!」