となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
バスルームを開けると、そこはまるでTVで見た事のあるスウィートルームのような、綺麗で広くて、大きな鏡があって……
私は、大きなため息をもらした。
掃除用具を見つけて、広い湯舟をスポンジで洗う。でも、すでに掃除されているようで綺麗た。だが、なんだか掃除をしていると、自分の家にいるようでなんだか落ち着いてくる。
自分でやれと言われた事が、居場所をもらったような気持ちになっていた。
湯舟につかり、ちょっと贅沢気分を味わった。そんな、のんきな事でいいのかは分からないが……
お借りした、スウェットに着替えリビングに向かった。
リビングでは、広瀬さんがパソコンを広げ、仕事をしているようだ。今日は早く仕事を切り上げてしまったし、忙しいのであろう……
私が戻った事に気づいた広瀬さんは、パソコンの画面から顔を上げた。
「冷蔵庫開けて、好きなもの飲んでいいぞ」
「ありがとうございます」
遠慮なく、キッチンへと入った。
綺麗で立派なキッチンなのだが、全く使っている形跡がない。何もないのだ……
大きな冷蔵庫を開けると、ミネラルウォーターがずらっと並び、その下には缶ビールがずらっと並んでいる。しかし、他の物は一切姿を見せない。
好きなものと言われても、選ぶ余地もなく、ミネラルウォーターのボトルを取り出した。
どうしようかと思ったが、広瀬さんの邪魔にならないよう、少し離れてソファーに座った。
ペットボトルを空け口に入れた。
しばらく、座っていたが、何も話さない広瀬さんが無性にもどかしくなってきた。何か声をかけて欲しいそんな事を思ってしまった。
ふいに広瀬さんが立ち上がった。
「風呂行ってくる」
「あ…… はい……」
しばらく、ぼーと座っていたが、私はカバンからスマホを出した。
今なら、ラインのメッセージを読める気がした。
メッセージには、どこにいるんだ? 何している? などの言葉が並んでいるが、私には、彼が心配しているなどとは感じられなかった。
最後のメッセージは、もう帰ると、少々怒っているようなものだった。
私は、小さくため息をつき、覚悟を決めた。
『私は、あなたが結婚している事を知りませんでした。これ以上、お会いするつもりはありません。メールでごめんない』
送信……
これでいいと思った。
悔しい気持ちはある。でも、未練は不思議とない。
もう、会う必要はないと思ったのだ。
私は、大きなため息をもらした。
掃除用具を見つけて、広い湯舟をスポンジで洗う。でも、すでに掃除されているようで綺麗た。だが、なんだか掃除をしていると、自分の家にいるようでなんだか落ち着いてくる。
自分でやれと言われた事が、居場所をもらったような気持ちになっていた。
湯舟につかり、ちょっと贅沢気分を味わった。そんな、のんきな事でいいのかは分からないが……
お借りした、スウェットに着替えリビングに向かった。
リビングでは、広瀬さんがパソコンを広げ、仕事をしているようだ。今日は早く仕事を切り上げてしまったし、忙しいのであろう……
私が戻った事に気づいた広瀬さんは、パソコンの画面から顔を上げた。
「冷蔵庫開けて、好きなもの飲んでいいぞ」
「ありがとうございます」
遠慮なく、キッチンへと入った。
綺麗で立派なキッチンなのだが、全く使っている形跡がない。何もないのだ……
大きな冷蔵庫を開けると、ミネラルウォーターがずらっと並び、その下には缶ビールがずらっと並んでいる。しかし、他の物は一切姿を見せない。
好きなものと言われても、選ぶ余地もなく、ミネラルウォーターのボトルを取り出した。
どうしようかと思ったが、広瀬さんの邪魔にならないよう、少し離れてソファーに座った。
ペットボトルを空け口に入れた。
しばらく、座っていたが、何も話さない広瀬さんが無性にもどかしくなってきた。何か声をかけて欲しいそんな事を思ってしまった。
ふいに広瀬さんが立ち上がった。
「風呂行ってくる」
「あ…… はい……」
しばらく、ぼーと座っていたが、私はカバンからスマホを出した。
今なら、ラインのメッセージを読める気がした。
メッセージには、どこにいるんだ? 何している? などの言葉が並んでいるが、私には、彼が心配しているなどとは感じられなかった。
最後のメッセージは、もう帰ると、少々怒っているようなものだった。
私は、小さくため息をつき、覚悟を決めた。
『私は、あなたが結婚している事を知りませんでした。これ以上、お会いするつもりはありません。メールでごめんない』
送信……
これでいいと思った。
悔しい気持ちはある。でも、未練は不思議とない。
もう、会う必要はないと思ったのだ。