となりに座らないで!~優しいバレンタイン~
 言われた通りラックに入っていたクリーニング済みの洋服を抱え、もう一度寝室に入る。

「ぅわーあ あったか?」

 あくびをしながら広瀬さんがベッドの上に起き上がった。


「あの…… 起きてるんですか? 寝てるんですか?」

 私の必死の質問に、広瀬さんは笑いだした。


「起きてるよ」

 そう言って、何かを含んだような目でニヤリと満足そうに笑った。


「もー! 着替えてきます!」

 私は、洋服を抱えバタバタとバスルームへ向かった。


 絶対に寝ぼけてなんかない!
 どういうつもりよ!!
 
< 55 / 125 >

この作品をシェア

pagetop