世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ




バシャァっ!!
と勢いよく前へ。



せっかく持ってきた傘は手から離れて、膝と腕には痛みが走る。




…最悪だ。
雨の日はやっぱり嫌なことがたくさん起こる。




盛大に転んだせいで制服は汚れてびしょ濡れ。
周りからの視線が痛い。




スマホを水たまりに落とした時よりもショックだよ…。




せっかく車を止めてもらって傘を渡そうと思ったのに……もう、行っちゃったかな。





恥ずかしくて急いで起き上がろうとしたら、誰かの足元が見えて。













「花!?大丈夫!?」




私が追いかけていたはずのその人──────冬樹くんは雨に濡れながら私に手を差し伸べて体を起こしてくれた。




「花!!怪我してる!?とりあえずあっちに行こう!!」




そう言われて1番痛みのある膝を見てみると、血が滲んでいた。

冬樹くんは私の体を支えてくれて、地面に落ちたピンクの傘を持ってゆっくり歩き出す。




…冬樹くんだ。
さっき、窓から見えた冬樹くん。雨の中走っていたから冬樹くんもびしょ濡れだ。





もう行っちゃったかと思った…。



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