世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
私は冬樹くんに支えられながら移動して。
駅の外にあったベンチに座らせてもらった。
ここは屋根があって、ちょうど雨が当たらないようになっている。
「花、足見せて」
冬樹くんは私の傘を閉じると、自分のウエストポーチの中から何かを取り出した。
手に持っているものを見ると、冬樹くんの手には小さなボトルが握られている。
青いフタに白いボトル。
…傷用の消毒液、だろう。
それを足の怪我をした部分にかけてくれて、ポケットティッシュで傷の周りを拭いてくれる。
…昔の、冬樹くんだ。
蘇るのは昔の記憶。
小さい頃、よく転んで怪我をした私はよく冬樹くんにこうして傷の手当をしてもらっていた。
私がよく転ぶからって、冬樹くんは消毒液と絆創膏まで持ち歩いてくれるようになって……。
「…昔の癖なんだよ。これ、持ってくるの。でも今日役に立って良かった」
そう言いながら消毒した傷の上からぺたりと絆創膏を貼ってくれた。
…昔の癖だったんだ。
「ありがとう…」