世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
そうお礼を言えば冬樹くんはきょろきょろと辺りを見渡す。
「花、ここで何してるの?夜瀬は一緒じゃ……」
「あ、あのね、窓から深刻そうな冬樹くんが見えたから……傘がなくて帰れないのかもと思って、傘を渡そうと…」
傘がなくて帰れず、駅で雨宿りをしているものだと思った私。
だけど冬樹くんは、
「情けないことに、財布落として探してたら終電が行っちゃってさ…!今日は朝からバイクのタイヤはパンクするし、最悪だよ!」
と言って笑う。
その表情は無理して笑っているようにしか見えない。
「…冬──────」
「俺のせいで怪我までさせてごめんね、花。迎えの人はどこかにいるんだよね?そこまで送ってくよ」
私の声は制されて、冬樹くんは置いておいた私の傘を開く。
「え、でも…冬樹くんは…」
「俺は歩いて帰るから心配でしないで!」
「それで歩いて帰ったら風邪ひいちゃうよ…」
「俺は風邪ひかないから大丈夫!」