世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
私に心配をかけないようにそう言う冬樹くん。
そう言われて心配しないわけないじゃないか。びしょ濡れだし、お財布は落としてしまったみたいだし、終電には乗れなかったみたいだし……。
冬樹くんは風邪をひかないとか言うけど、こんな雨の中、さらに濡れて帰ったら絶対冬樹くんでも風邪をひくだろう。
なにかいい案はないだろうか。
タクシー…とか?
冬樹くんはお財布がないから、私がお金を出せば……
なんて思ったけど、私は今日お財布の中にあまりお金がないことに気がついた。
自販機で飲み物を買ったあとは残金300円だった気がする……。
…最悪だ。
ほかになにか、ほかになにか……
そう考えているうちにもうひとつの案を思いついた。
だけど、これは、詩優の許可が必要。
「ちょっと待って!!冬樹くん!!」
私はそう言ってからポケットからスマホを取り出して操作。
出るかはわからないが、電話帳を開いて【夜瀬詩優】をタップした。