世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
電話越しの詩優は沈黙。
やっぱり……だめ、なのだろうか。
「お、お願い!!詩優っ」
私は必死に詩優にお願い攻撃。
『…榊は歩いて帰るって言ってんだからいいんじゃねぇの。それで』
返ってきた声はなんだかすごくムスッとしている。
「冬樹くんびしょ濡れなの…!!風邪ひいちゃうよ…っ」
『馬鹿は風邪ひかねぇから大丈夫だろ』
「冬樹くんは馬鹿じゃないもん!!!」
そう言ったところで冬樹くんは濡れた上着を絞って、水分を落とすとその上着を広げて私の肩にかけてくれた。
「花、このままだと花が風邪ひくから!!俺のことは本当にもういいから、早く帰りな」
冬樹くんは私の心配をしてくれる。
…冬樹くんのほうが大変な状況のはずなのに。
「…お願い、詩優。あとでなんでも、たくさん言うこと聞くから……」
電話越しの詩優に私はそう言った。
彼はそれでもやっぱり許してくれないのか、しばらくの沈黙。