世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「…入れ」
男の声が聞こえて、指示に従って倉庫の中に入る私たち。
中にはたくさんの男たちの姿があって、恐怖を感じた。下品に笑いながらこちらをにやにやしながら見てくるたくさんの男たち。
私は怖くて前を向いて歩くことができず、下を向いて歩く。
体も震えてしまって、上手く歩けない。どうしても右手と右足、左手と左足が一緒に出てしまう。
「臭っ」
隣から小さく呟く声。
これは明日葉の声だ。
た、確かになんか独特な匂いがするような……だけど、言わなくても…!!!
い、今の声周りに聞こえてないかな!?聞こえてたら絶対怒られるよね!?
私はきょろきょろと辺りを見回したかったが、たくさんの視線を感じるためそんなこともできない。ただ、聞こえてませんようにと祈るばかり。
「今、何か言ったか?そこのメガネ」
祈っていたのに…。
1番近くにいたひとりの男が反応。
びっくりしてドキっと跳ねる心臓。
き、聞こえた!?
「…い、いえ!」
小さな声で答えた明日葉。
短い返事。
ここに来る前に倫也が『明日葉は口開くとアホ丸出しだからあんま喋んない方がいいよ』と言っていた。
その言うことをちゃんと聞いているんだろう。