世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
…ドキドキが止まらない。
全身が熱い。
詩優はずるいよ。
私だって……私だって………詩優を…──────。
「…ずるい」
私にはまだその言葉は口にできなかった。
そう思っていないとかじゃなくて……心の準備をしないと詩優を好きすぎて心臓が壊れてしまいそうだったから。
「ずるくねぇよ」
彼は私の頭の上に置いている手を滑らせて、頬に触れる。
キス、だ…。
そんな予感がして、ゆっくり目を閉じるとすぐに触れ合う唇。
全身に熱が回る。
熱すぎるくらいに…。
彼は触れるだけのキスですぐに離れて。
「先に風呂出るから、花莉はもっと温まってから出ろよ」
ぽんぽんと頭を撫でて浴槽から出ていこうとする。
私はその腕をぎゅっと強く掴んで、詩優の動きを制すと…
彼の頬にキスをひとつ。
「…先に寝ないでね」
そう言って掴んだ腕を離すと、「あぁ」と返事が返ってきた。
それから詩優は先にお風呂を出て。私は詩優が脱衣所からいなくなったらすぐにお風呂を出た。