世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
予想外の行動にドキドキして、びっくり。
私はただ至近距離にいる彼を見つめた。
触れるだけですぐに彼は離れて、目元を優しく指で拭ってくれる。
それから、体を引き寄せられて強く抱きしめられた。
「よしよし」
抱きしめながらぽんぽんと頭を撫でてくれる詩優。
彼の甘い匂い、体温に包まれてドキドキと加速する鼓動。
さっきの感動よりもドキドキのほうが遥に上回って、不思議とそれ以上に涙は溢れてこなくて。
詩優が魔法使いだと本気で思った瞬間。
「目、赤くなるし、水分もなくなるから。これ以上泣くなよ」
上から降ってくる声。
その声がすごく優しくて、心が熱くなる。
こくりと頷けば彼の手が耳に触れた。
なぞるように触れて、少し冷たかった耳たぶに触れた温かい体温。
私が耳たぶにつけていたのは、以前詩優からもらった赤いマグネットピアス。
彼が触れていないほうの耳には赤いイヤーカフ。
もちろん首にはペアリングをネックレスにしてつけている。
全部、詩優とお揃いの大切なもの。