世界No.1の総長と一輪の花Ⅲ
「お揃い」
彼はそう言って、私の耳たぶをむにっと触って遊び出す。
詩優の声はなんだか嬉しそうで、これをつけてきて良かったと改めて思う。
デートの時は、毎回つけていようかな。
「…ありがと、詩優。もう大丈夫」
抱きしめてくれる詩優にそう言うと彼はゆっくり体を離してくれた。
それから私の顔をよく見て涙が止まったのを確認すると、目元にキスをひとつ。
「行こっか」
そう言って立ち上がる詩優。
私はドキドキしながら立ち上がって、詩優の手を取ると2人でシアターを出た。
「お化粧なおしてきてもいい?」
そう詩優に聞くと、
「おう。俺は向こうで座って待ってるから」
彼は奥にある椅子を指さした。
「うん!急いで行ってくる!」
「迷子になんなよ」
「ならないよ!!」
私は迷子にならない。
ならないけど…ひとつだけ心配なことがある。詩優がイケメンだから、1人になった途端話しかけてくる女の子がいるかもしれない。
私といる時でも、詩優は女の子から注目されているくらいだから…。絶対危険。