モブ子は今日も青春中!
解決の糸口を見つけました
手がかりを掴むために、私はなみの家を訪れた。
「はーい、あら?かなめちゃん、めずらしいわねえ!大きくなって!」
なみの家のおばさんが大げさに喜んでくれる。
「うわっ!かなめ、どうした?」
おばさんに呼ばれて出てきたなみも、なんだかとても驚いていた。
週末一緒に出かけることも多い私たちである。そんなにびっくりしなくても。
部屋に通されたあと、2人のオーバーな反応に、疑問をぶつけてみる。
「だってさ、今まで私が迎えに行かないと、かなめ遊んでくれなかったじゃん。」
なみが嬉しそうに笑う。
確かに毎週のようになみが迎えに来てくれていたけど、そんな迎えに来てもらわないと遊ばないなんて。そこまで図々しくないよ、私。
「それどころか、前までは誘ってもゲームがしたいとか言って、家から出てきてくれなかったし。」
……なぬ?
「やっと最近一緒に出かけてくれるようになったと思ってたら、さらにかなめの方から遊びに来てくれるんだもん。」
今、ゲームって言った…?
「そりゃあ、嬉しくてオーバーな反応に…」
「なみ!!」
喜ぶなみの言葉を遮り、なみの両手を掴む。
「私、家でゲームしてたの?!」
「は?」
なみが怪訝な顔をする。
「そうか…、私、家でゲームをしていたんだ。」
部屋に使われていないパソコンが置いてあったことを思い出す。
自分の部屋なのに、なぜかその一角には近寄り難くて、見て見ぬふりをしていたパソコンだ。
ゲームをしていたという以前の私。でもそれを全く覚えていない今の私。
事故のことと、転生と、何か関係があるかもしれない。
あのパソコンを見れば、何かわかるかも。
「ありがとう、なみ!!」
私は解決の糸口を見つけ、高まる気持ちを抑えることができなかった。