モブ子は今日も青春中!
後輩 ②
誕生日…私の誕生日って、事故に遭った7月30日じゃん!
え?え?どういうこと?
今度は私が優馬の腕を捕まえる。
「待って!優馬、私と会ったのって何時頃だった?!」
思わぬ切り返しに、優馬がその大きい目をさらに大きく見開いた。
優馬と別れたあと、私は全速力で家に向かって走っていた。
苦しい…。
走りながら、先ほどまでの優馬との会話を思い出す。
『かなめ先輩と会ったのは、確か19時頃じゃなかったですか?日が長くなったとは言え、先輩にしては珍しい時間に外にいるなと思ったんで。』
なんで私、そんな時間に公園にいたんだろう。
ズキズキと響く頭を振るう。
『えー?先輩、覚えていないんですか?俺が先輩に話しかけてすぐ、先輩のお兄さんが迎えに来て。お兄さんが先輩の自転車を押して、2人で帰っていったじゃないですか。』
事故の直前、私は兄ちゃんといたんだ。あのとき、何があったの?
何本か坂を下りたり上ったりして、ようやく家に辿り着く。いつの間にか、もう空は暗くなり、周りの家々も電気がつき始めていた。
2階を見上げて、荒くなった呼吸を整える。
何があっても、後悔しない。
私は私、大丈夫。
私は勇気を振り絞り、家のドアノブに手をかけた。