懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
頬に触れた亮介の手が、救いの神のようにあたたかい。思わずその手に自分の手を重ねると、亮介はほんの少しだけ目を見開いた。
「副社長に伝えたいことがあったんです」
「俺に?」
はい、と小さくうなずく。
心臓が静かに、着実に早鐘を打っていく。その勢いに背中を押されるようにして口を開いた。
「……私、副社長を」
「ちょっと待て」
今まさに想いを告げようとした里帆を亮介が遮る。なにかを探るように目を細めて里帆を見つめた。
「もしかして俺に気持ちを伝えようとしてくれてる?」
言う前からバレているなんて……!
亮介はすべてお見通しだったらしい。
寒さに赤らんだ頬をさらに染める里帆を亮介が覗き込む。
動揺して目を泳がせていると、亮介は里帆の頬を両手で包み込んだ。強制的に合わせられた目に逃げ場はない。