懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「なになになんで?」
「わかりません」
「とにかく早く出ないと。って、俺、邪魔だよな。これ、悪いけどそのままにしちゃうよ」
修太朗は食べかけたシュークリームを皿に置いたまま急いでコートを羽織った。
「えっ、ちょっと待ってください」
「待ってって。俺がいたら話もできないだろう?」
「だって話なんて」
もう済んでいる。完全な別れとして処理したのだ。
「なんかよくわかんないけど、話があるから来たんじゃないか。だったら聞いてあげなくちゃ」
里帆が戸惑っているうちに修太朗は玄関で靴を履き、ドアを開いた。
その向こうにいた亮介が彼を見て怪訝そうな顔をする。
「すみません。俺のことは気にせず、里帆ちゃんと話してください」
修太朗は軽く手を上げ、急ぎ足で去っていった。
呆気にとられてその背中を見ていた亮介の視線が、里帆へ向られる。