懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「里帆、俺と一緒に帰ろう」
思いがけない言葉が胸を激しく揺さぶる。
亮介と一緒に。
なによりも魅惑的な誘惑だった。
だからと言って、すぐにうなずけない。
「里帆がうんと言ってくれるまで絶対に離さない」
亮介の腕の力が強まる。里帆のお腹があたらないように気遣っているのを感じた。心まで抱きしめられたような気がして、気持ちが大きく揺らぐ。
「でも、お父様が……」
里帆を亮介から遠ざけたかった隆一が許さないだろう。せっかく追い払った里帆を受け入れるとは思えない。
亮介はそっと里帆を引き離し、真っすぐに見つめた。
「俺が説得する」
「絶対に許してくれません」
大金を支払ってまで里帆たちを別れさせたかったのだから。のこのこと戻ったら、火に油を注ぐだけではないのか。