懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました

◇◇◇◇◇

アパートにある荷物は最低限。半年間しか暮らしていないため、余計なものが増えていないのは幸いだった。

亮介のマンションへ行くため家電や家具は必要なく、車に乗せていける分だけ積み込み、残りは南夫妻に処分をお願いすることとなった。
残すは転院の準備。その日の受付時間ぎりぎりに滑り込み、ラストの診察になんとか間に合った。


「立川さん、よかったわね」


亮介を紹介すると、ドクターの伊織は自分のことのように喜んだ。


「いくらひとりでやっていくって決意したって、やっぱりひとりよりふたりよ。出産も育児も夫婦が揃っていたって大変なんだもの。本当によかったわ」
「先生、いろいろとありがとうございました」


伊織に厳しい話もされたが、それがあったからこそ強い気持ちで出産に臨む決心ができたのも事実。ここで最後まで診てもらい思いもあったが、それでは亮介と一緒にいられない。
< 150 / 277 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop