懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
「あ、いえ、それは……」
冷静沈着な成島がしどろもどろになる。
「亮介さんが秘書をつけないって話です」
「あぁそれか。成島のしつこさと言ったらないぞ」
亮介がカップをそれぞれの前に置くと、成島と由佳は恐縮して頭を下げた。里帆にはホットミルクなあたり、きちんと気遣ってくれているようで心があたたかくなる。
「私は職務を全うしているだけです」
成島が胸を張って毅然と答える。きっと本当に困っているのだろう。真剣な表情がそう言っていた。
「亮介さん、室長をあまり困らせないであげてください」
「里帆は成島の味方をするのか」
成島の隣に座った亮介が不満げに眉をピクリと動かす。
「敵も味方もないです。ただ秘書はいたほうがいいって話ですから」