懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました


そこまで頑なに拒絶しなくてもいいのにと思う反面、里帆以外の秘書なら必要ないと言ってもらえてうれしい気持ちもある。
それに正直言うと、新しい秘書が亮介と常に一緒に行動を共にするのかと思うと気が気でないのもたしかだ。


「そうですよ、社長。やはり秘書は必要です」
「ふたりでタッグを組むのはよせ」


やり取りを見ていた由佳が、「社長がヤキモチやいてる」と里帆にこそっと耳打ちをするからくすぐったい。


「ともかく、私にも考えはありますので」


なにやら怪しげに成島の目が光った。なにか秘策があるらしい。


「妙なことをしたら室長の座がなくなるぞ」
「社長、それをパワハラと呼ぶのをご存知ないですか?」
「それを言うなら、半年前に成島が里帆にしたことも、それにあたるんじゃないか?」


どちらも引かない攻防戦は、ふたりのコーヒーが冷めるまで終わらなかった。
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