懐妊秘書はエリート社長の最愛妻になりました
亮介に名前を呼ばれただけで、心臓のリズムが狂うから敵わない。耳もとから全身に甘い痺れが伝わっていく。
「これ、亮介さんが?」
「ベッドのデコレーションはホテルで、キャンドルは俺」
「とっても素敵」
ロマンチック過ぎて目眩を起こしそう。
「里帆がシャワー浴びてる隙に大急ぎで準備して、俺もそこのシャワーブースでさっと浴びてきた」
振り返ってみれば、亮介から水が滴った。髪がまだ濡れている。
「亮介さん、乾かしてないじゃないですか」
「大慌てだったからね」
いつかの夜みたいだ。
「それより、あそこの箱を開けてみて」
亮介の指差したほうに目を向けると、ベッドのデコレーションの真ん中、ハートに囲まれた中に白い箱が置かれている。